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アメリカロッキー山脈の麓に暮らす家族の日記


by coloradowinds

アメリカ先住民への思い

日本にいた頃、アメリカ先住民の長老が書いた本を読んだり、彼らの教えを耳にしたりした。なかでも有名なのが「ホピ」と呼ばれる部族だ。母なる自然とつながり、宇宙の源と同調してシンプルな生活をしている叡智あふれた民というイメージをもっていた。
昨年の日本の地震の直後にも、ホピの長老から全世界に向けて下記のメッセージが発信された。


母なる大地とそこに生きるすべてのいのちに敬意を払い、
その上をやさしく歩くことだ



これが人類がこの地球で生きのびるための唯一の道だとホピの長老は言う。このようなメッセージを発するアメリカ先住民のひとたちはいったいどんな暮らしをしているのだろう??

アラスカに住んでいた頃、アラスカ先住民の村を訪れてがく然としたことがある。村にはあらゆるガラクタやジャンキーなものが散在し、人々は昼夜問わず酒を飲んだくれてる。道にツバを吐き、ゴミを平気で捨てる。

娯楽として野生動物を殺して楽しんでいる。どうやってオオカミを殺したか?アザラシを何頭打ったか?の自慢話で盛り上がる。漁の網にひっかかった赤ちゃんイルカを棒でめった打ちして殺してるのも目撃した。とても母なる大地に敬意を払い、すべてのいのちに敬意を払っているとは思えない。むしろ、母なる大地を汚し、そこに住むすべてのいのちを殺してるといった感じだった。

民族の誇りを忘れ去り骨の髄まで荒廃してるのはアラスカ先住民だけで、きっと他の先住民はまともだろうと思っていた。アメリカ本土の先住民は各居住区内に暮らしているため、居住区以外の場所で彼らを目にすることはほとんどない。だから、あまり実態は知られていない。今回訪れたLander周辺には2部族の居住区がある。興味にそそられ暮らしぶりをちょっと覗いてみた。

居住区に足を踏み入れるや否な荒れ果てた暮らしぶりがそこかしこに見られた。昼夜を問わず飲んだくれて、大地にツバを吐きタバコやゴミを平気で捨てる。彼らの荒廃しきった姿を見て思った。長老のメッセージは本当だろうかと?そんな賢い長老はいるのだろうかと?

きっと叡智にあふれた長老は存在するのだろう。でも、そのような賢者はアメリカ全住民族全体の1パーセントにも満たないほんの一握りで、残りの99パーセント以上の人たちは賢者の叡智に耳をかたむけることもなく荒廃した生活を送っているというのが現実ではなかろうか。

これはアメリカ先住民に限ったことではなく。いつの時代にも、どの文明にも賢者と呼ばれる人たちはいた。しかし、賢者のメッセージを真摯に聞き入れる者は少なく、我欲と利益を追求したあげくいずれの文明も滅んでいった。

いまもほんの一握りの賢者たちが宇宙の叡智を伝えている。
しかし、その大切なメッセージに耳をかたむけ実行にうつしている人はほとんどいない。ならば、この文明もいずれは滅ぶ道をたどるのであろうか?


母なる大地とそこに生きるすべてのいのちに敬意を払い、
その上をやさしく歩くことだ


ホピの長老のメッセージが空しく響く。レムリア、アトランティス....
かつて高度文明がこの地球に存在したがいずれも滅んでいった。
彼らと同じ道を歩まないために賢者の教えを実践せねばならない。私たちに残された時間はもうあまりない。
by coloradowinds | 2012-07-27 05:48 | My thoughts